仮想マシンの仕組みを図解で説明
〜Hyper-VとVMwareの違い〜

この記事は2026年11月に内容を全面的に見直しました。

最近では、仮想マシンを作成して環境を作るのが一般的になっています。

会社の作業でも「仮想マシンで開発環境を構築して」といわれることは珍しくありません。自分が入った現場でも、20環境近くが仮想化されていました。

仮想マシンの仕組みを説明できますか?Hyper-VとVMwareの違いは分かりますか?

仮想マシンの仕組みについて、図を使って説明していきます。

仮想マシンとは?

仮想マシンは、1台の物理マシンの中に作った、ソフトウェアで動くマシンです。

例えば、1台のパソコンの中で、WindowsやLinuxを同時に動かすことができます。

仮想マシンの全体図。ホストの仮想化ソフトの上で、WindowsとLinuxのゲスト3台が動く

マシンを載せる物理マシンのことを ホスト、その上に作った仮想マシンのことを ゲストと呼びます。

図では物理マシンは1台ですが、ゲストが3台あるので、ホストと合わせて4台のマシンを使うことができます。

ゲストにインストールするOSをゲストOSといいます。

仮想マシンを使う理由

一番の理由は、物理マシンの台数を減らせることです。

物理マシンを減らす図。仮想化しない場合は物理マシン3台、仮想化すると1台のホストの中でゲスト3台が動く

物理マシンが減ると、本体を買う費用や電気代を抑えることができます。

ただし、ゲストの台数が多くなると、性能の高い物理マシンが必要になります。ゲストを増やすほど安くなるとは限らないので注意が必要です。

他にも、必要な時にすぐ環境を作れるという良いところがあります。

物理マシンを買わなくても、設定だけで新しいマシンを用意できます。

ハイパーバイザの2つの型

仮想マシンを動かすソフトを、ハイパーバイザといいます。

ハイパーバイザには、大きく分けて2つの型があります。

ハイパーバイザの2つの型の図。ハイパーバイザ型はHyper-VやVMware ESX(ESXi)で、ホスト型はVMware WorkstationやVirtualBox

ハイパーバイザ型は、ハードウェアの上で直接ハイパーバイザを動かす方式です。

間にホストOSがないので性能が出やすく、サーバでよく使われます。

ホスト型は、ホストOSの上で、アプリのように仮想化ソフトを動かす方式です。

普段使っているパソコンに入れられるので、手軽に試すことができます。

Hyper-VとVMwareの違い

代表的な製品を見ていきましょう。

主な仮想化の製品の表。Hyper-VとVMware ESX(ESXi)はハイパーバイザ型、VMware WorkstationとVirtualBoxはホスト型

Hyper-V

Hyper-Vは、Microsoftの仮想化の機能です。

Windows Serverに標準で用意されていて、Windows 11のProやEnterpriseでも有効にすると使えます。Homeでは使えません。

Windowsの機能なのでホスト型に見えますが、実際はハイパーバイザ型です。

有効にすると、Hyper-Vがハードウェアのすぐ上で動き、Windows自体もその上で動く形になります。

VMware

VMwareは、仮想化の製品で有名なブランドです。

企業のサーバの仮想化で広く使われてきました。

サーバ向けがVMware ESX(8までの名称はESXi)でハイパーバイザ型、パソコン向けがVMware Workstationでホスト型です。

VMwareは2023年にBroadcom社の傘下に入り、ライセンスの形が変わっています。

費用や無償で使えるかどうかは、公式サイトで確認してください。

VirtualBox

VirtualBoxは、Oracleのホスト型の仮想化ソフトです。

WindowsでもLinuxでも動くので、パソコンで試す時によく使われます。

ホストのリソースを割り当てる

仮想マシンを作る時は、ホストのCPU、メモリ、ストレージをゲストに割り当てます。

リソースの割り当ての図。ホストのCPU4コア、メモリ16GB、ストレージ1TBから、3台のゲストに1コア、4GB、250GBずつ割り当て、残りはホストの分にする

図では、CPUの4コア、メモリ16GB、ストレージ1TBを4等分しています。

3台のゲストに1つずつ割り当てて、残りの1つはホストの分です。

割合は自由に設定することができます。

リソースを割り当てる時の注意点

注意点は次の3つです。

① ホストが使う分を残す

② メモリは持っている量を超えて割り当てない

③ ネットワークカード(NIC)は共有になる

①と②は、メモリで考えると分かりやすいです。

メモリの割り当ての図。良い例はホストの分を含めて16GBに収め、悪い例はゲストに6GBずつ割り当てて16GBを超える

ゲストに割り当てる分だけを考えがちですが、ホストが使う分を残しておかないと、動作が不安定になります。

メモリを実際の量より多く割り当てた場合も同じです。

超えないように固定で割り当てるか、必要な分を自動で割り当てる機能を使うなど、状況に応じて設定してください。

CPUは物理コアより多く割り当てることもできますが、ゲスト同士で取り合うので、混み合うと遅くなります。

③については、通常は1つのNICをゲストで共有して使います。

NICの共有の図。ゲスト3台の通信が1枚のNICに集まってネットワークへ出る

大容量のファイルをやり取りするゲストがある場合は、専用のNICを追加することを検討しましょう。

仮想マシンを使う時の考え方

ホストには、仮想マシンの管理以外のアプリケーションを入れないのが一般的な考え方です。

管理以外の作業もできますが、ゲストの動作が不安定になる可能性があります。

アプリケーションはゲストに入れて、普通のサーバのように使いましょう。

ゲストのOSは、インストーラがあればWindowsでもLinuxでも入れることができます。Windowsなど、ライセンスが必要なOSは用意しておいてください。

OSをインストールすれば、普通のマシンと同じように使えます。リモート接続を許可すれば、他のマシンから接続することもできます。

仮想マシンとコンテナの違い

仮想マシンとよく比べられるのが、コンテナです。

仮想マシンはOSごと動かしますが、コンテナはホストOSのカーネルを共有して動きます。

違いは、コンテナと仮想マシンの違いを図解で説明の記事で説明しています。

まとめ

今回は仮想マシンの仕組みについて説明しました。

仮想マシンは、ホストのリソースをゲストに割り当てて動かします。

ハイパーバイザには、ハードウェアの上で動くハイパーバイザ型と、ホストOSの上で動くホスト型があります。

基本情報技術者試験でも、仮想化の用語として押さえておきましょう。

使い方は一度覚えてしまえば難しくありません。Windows 11 ProのHyper-VやVirtualBoxを使えば、自宅でもすぐに仮想環境を作ることができます。

Hyper-Vを有効にしていると、VirtualBoxが動かない場合があります。その時はどちらか一方を使いましょう。

実際にやってみるとイメージがつくので、一度、自分のマシンに入れてみることをお勧めします。

仮想マシンをクラウドで借りるサービスの種類については、IaaS・PaaS・SaaSの違いを図解で説明の記事で説明しています。