ファイアウォールとDMZの仕組みを図解で説明 〜WAF、IDS、IPSとの違い〜

「ファイアウォール」と「DMZ」の役割を説明できますか?

外部からの攻撃を防ぐもの、くらいの理解の人も多いと思います。

しかし、ファイアウォールを入れるだけで全ての攻撃を防げるわけではありません。

ファイアウォールとDMZの仕組みについて、図を使って説明していきます。

ファイアウォールの全体像の図。許可された通信を通し、不要な通信を止める

ファイアウォールとは?

ファイアウォールは、決められたルールに従って、通信を通すか止めるかを判断する仕組みです。

会社の入口にいる警備員のようなものです。

インターネットと社内のネットワークの間に置いて、不要な通信を止めます。

パケットフィルタリング

ファイアウォールの基本は、パケットフィルタリングです。

通信のデータを見て、次のような情報でルールと照らし合わせます。

  • 送信元のIPアドレス
  • 宛先のIPアドレス
  • プロトコル(TCP、UDPなど)
  • ポート番号
ファイアウォールのルールの例。上から順に確認し、どれにも一致しない通信は拒否する

ルールは上から順に確認し、最初に一致したルールを適用する製品が一般的です。

最後には「どのルールにも一致しない通信は全て拒否する」というルールを置きます。

必要な通信だけを許可して、残りは全て拒否するのが基本の考え方です。

ステートフルインスペクション

社内のパソコンがWebサイトを見ると、Webサーバからの応答が返ってきます。

応答のために、外部からの通信を常に許可しておくのは危険です。

そこで、現在のファイアウォールは通信の状態を記録しています。

これを ステートフルインスペクションといいます。

ステートフルインスペクションの図。社内からの通信を記録し、応答は通し、記録になくルールでも許可していない通信は止める

① 社内のパソコンがWebサーバへアクセスする

② ファイアウォールが、この通信を記録する

③ Webサーバからの応答は、記録と一致するので通す

④ 記録になく、ルールでも許可していない外部からの通信は止める

DMZとは?

会社のWebサーバやメールサーバは、インターネットからアクセスできる必要があります。

しかし、社内のネットワークにこれらのサーバを置くと、乗っ取られた時に社内全体が危険になります。

そこで、インターネットとも社内とも分けた区域を作ります。

この区域を DMZ(DeMilitarized Zone)といいます。

日本語では「非武装地帯」です。

DMZの図。公開サーバはDMZに置き、インターネットから社内LANへの通信は拒否する

ファイアウォールで、3つの区域の間の通信を次のように制御します。

通信の向き扱い
インターネット → DMZ公開するサービスだけ許可
インターネット → 社内LAN拒否
DMZ → 社内LAN必要なものだけ許可
社内LAN → インターネット必要な範囲で許可

DMZのサーバが乗っ取られても、社内LANへの被害を防ぎやすくなります。

WAF、IDS、IPSとの違い

ファイアウォールは、主にIPアドレスとポート番号で判断します。

そのため、許可しているWebの通信の中に攻撃が含まれていても、基本のパケットフィルタリングでは見分けられません。

そこで、別の役割の仕組みを組み合わせます。

ファイアウォール、IDS、IPS、WAFの比較表。主に見るものと役割を比べている

IDSは、不正な通信を検知して知らせます。

IPSは、検知した通信を止めることまで行います。

WAFは、SQLインジェクションのようなWebアプリケーションへの攻撃を防ぎます。

1つの仕組みで全てを守るのではなく、複数の対策を重ねて守ることが大切です。

まとめ

今回はファイアウォールとDMZの仕組みについて説明しました。

ファイアウォールは、ルールに従って通信を通すか止めるかを判断します。

DMZは、公開するサーバを社内LANから分けて置く区域です。

必要な通信だけを許可することと、複数の対策を重ねることを覚えておきましょう。

社外や別の拠点から社内のネットワークへ安全に接続する方法については、VPNの仕組みを図解で説明の記事で説明しています。

ポート番号については、TCPとUDPの仕組みを図解で説明も参考にしてください。