FTPの仕組みを図解で説明
ファイル転送の方式「アクティブ」と「パッシブ」

この記事は2026年11月に内容を全面的に見直しました。

会社で「FTPで転送して」と聞くことがあると思います。ファイルを転送するもの、くらいの理解の人も多いのではないでしょうか。

この記事では、FTPの仕組みと、今使うときの注意点を説明します。

FTPとは?

FTP(File Transfer Protocol)は、ファイル転送を行うための通信プロトコルです。

Webサーバへのファイルのアップロードや、サーバ間のファイル転送などで使われてきました。

サーバ側にFTPのサービスを用意すれば、クライアントのFTPソフトから接続できます。

FTPの概要図

FTPは暗号化されていない

使う前に必ず知っておきたいのが、FTPの通信は暗号化されていないことです。ファイルの中身だけでなく、ログインのIDとパスワードもそのまま流れます。

FTPの通信の図。IDとパスワードが暗号化されずに流れ、途中で見られると読める

インターネット経由で使うなら、次の暗号化された方式を選びましょう。

方式仕組み主なポート
SFTPSSHを使ってファイルを転送する22
FTPSFTPをTLSで暗号化する21 または 990

名前は似ていますが、SFTPはFTPとは別のプロトコルです。迷ったら、まずはSFTPが使えるか確認しましょう。

3つの方式の違いと選び方は、SFTP・FTPS・SCPの違いを図解で解説で詳しく説明しています。

FTPの仕組み

FTPには、大きな特徴が2つあります。

  1. 2種類のコネクションを使う
  2. 2種類のモードがある

2種類のコネクション

FTPは2つの接続を使い分けています。

コネクション役割ポート
制御用コネクションログインや命令のやり取り21
転送用コネクションファイルの中身の転送モードによって変わる
FTPの2つの接続の図。制御用コネクションはポート21でログインや命令に使い、転送用コネクションでファイルの中身を送る

接続が分かれているので、ファイルの転送中でも、制御用コネクションから中断などの命令を送れます。

2種類のモード

モードの違いは、転送用コネクションをどちらから接続するかです。制御用コネクションは、どちらのモードでも必ずクライアントからサーバへ接続します。

アクティブモード

サーバからクライアントへ転送用コネクションを接続します。

  1. クライアントが、待ち受けるIPアドレスとポートをサーバに通知する
  2. クライアントが、通知したポートで待機する
  3. サーバが、通知されたIPアドレスとポートへ接続する
FTPアクティブモードの図。サーバがクライアントへ転送用コネクションを接続する

パッシブモード

クライアントからサーバへ転送用コネクションを接続します。

  1. クライアントが、パッシブモードを要求する
  2. サーバが、待ち受けるIPアドレスとポートを通知する
  3. サーバが、通知したポートで待機する
  4. クライアントが、通知されたIPアドレスとポートへ接続する
FTPパッシブモードの図。クライアントがサーバへ転送用コネクションを接続する

どちらを使う?

現在は パッシブモードが主流です。

アクティブモードでは、サーバからクライアントへ接続します。しかし、クライアント側にファイアウォールやNATがあると、外からの接続が遮断されやすくなります。

「ログインはできるのに、ファイル一覧が表示されない、転送できない」というトラブルでは、モードの設定を疑ってみましょう。

まとめ

  • FTPはファイル転送用のプロトコル
  • 通信は暗号化されないので、インターネット経由ならSFTPやFTPSを使う
  • 制御用と転送用の2つのコネクションを使う
  • アクティブとパッシブの違いは、転送用コネクションの接続方向
  • 現在はパッシブが主流

FTPの2つのモードは、基本情報技術者試験の学習でも役立つ知識です。

実際に試すなら、自宅のネットワーク内で検証しましょう。インターネットに向けて公開するのはおすすめしません。

FTPが使っているTCPの仕組みは、TCPとUDPの仕組みを図解で説明の記事で説明しています。